こんにちは!めこです。
この記事では2021年10月1日に発売された伊坂幸太郎さんの最新長編小説!
『ペッパーズ・ゴースト』のあらすじと感想を紹介しています。
わたしは基本的に図書館で本を借りて読んでいるのですが
伊坂幸太郎さんの小説は大好きなので唯一、新刊が出たら即買いしています。
個人的に今回の新刊『ペッパーズ・ゴースト』は最近の中ですごく好きで、面白かったです!
『ペッパーズ・ゴースト』あらすじ
中学の国語教師・檀は、猫を愛する奇妙な二人組「ネコジゴハンター」が暴れる小説原稿を、生徒から渡される。さらに檀先生は他人の未来が少し観える不思議な力を持つことから、サークルと呼ばれるグループに関わり始め……。
【公式】伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』好評発売中! (asahi.com)
ちょっと変な能力を持つ国語教師・檀先生の話と、生徒が書いた小説の中の物語が交互に展開されていきます。
伊坂さん自身もインタビューで「得意パターン全部乗せ」と言っているように
今回は伊坂幸太郎ワールド全開で、とても楽しかったです!
変な超能力
「超能力者の出てくる小説」と聞くとファンタジーのようなちょっと馬鹿馬鹿しい話かな?
とわたしは思ってしまうのですが伊坂さんの小説は違います。
超能力と言っても派手なものだったり、すごく便利なものではなく
なんとももどかしくなるような、扱うのが難しい能力なんです。
そんな能力を使い、いかに役立たせるかも見どころです。
檀先生はある条件下で他人の明日の体験が少しだけ観える、『先行上映』と名付けられた能力を持っていて
ある生徒の未来を見た事をきっかけに、事件に巻き込まれていきます…
交錯する物語
別々の何の関連も無さそうな話を読んでいくと後半で繋がり、全体像が見えてきます。
この流れも伊坂さんの作品に多いのですが、今回は「現実」と「小説の中の物語」です。
それがどう関係していくのかと読み進めると、まさかの展開に……!
ワクワクが止まらず、続きが気になって仕方がなくなりました。
『ペッパーズ・ゴースト』感想(ネタバレあり)
※以下、ネタバレ有りです!
檀先生は他人の飛沫を浴びて感染すると、その人の翌日の未来が少しだけ見える能力が発動してしまいます。
気を付けていても常に防げるわけでもなく、不可抗力なところが大変そうでした…
他人の未来を見ても何も出来ない無力感で精神的に辛い思いもしてきましたが
生徒の未来を見た事から関わっていく事件に、「この能力で人の役に立ちたい!」と立ち向かう姿に勇気づけられました。
個性豊かなキャラクター
伊坂さんの作品は魅力的なキャラクターが数多く登場します。
今回は、猫を虐待する動画を見て楽しんでいた人たちに復讐をしていく、ネコジゴハンターの2人が印象的でした。
楽観的な性格のアメショーと悲観的な性格のロシアンブル、対照的な2人の会話が楽しかったです。
何気にかなり残酷な事をやっているのに、ついつい応援したくなります。
小説の中の人物として読んでいたのに檀先生の目の前に現れた時は驚き、ニヤニヤしてしまいました。
この個性的な2人組は『マリアビートル』に出てくる殺し屋の蜜柑と檸檬を思い出します。
『グラスホッパー』に続く物語で、殺し屋が盛り沢山。笑
殺し屋たちの思惑が新幹線の車内で繰り広げられます。
かなり面白いです…!
他の小説の登場人物
伊坂さんの作品はたまに他の小説の登場人物が出てくる事があります。
それは重要な役割であったり、チラっと出てくるだけの時も。
わたしは今回の『ペッパーズ・ゴースト』でチラっと登場している場面を2つ見つけました。
- 檀先生が以前出会った「考えろ」が口癖の兄がいる夫婦。
『魔王』の安藤潤也くんと詩織ちゃんですね。
いろいろ考えると切ない…『魔王』もまた変な超能力が出てきます。 - 彪子さんが乗った車のうちに『ガソリン生活』の緑デミオが。
驚いてワイパー動いちゃってる!その時の車たちの会話が気になる…
伊坂ファンの特権のようで
見つけるとめちゃくちゃ嬉しい…!
自分が念じた事を相手に喋らせる『腹話術』の能力に気付いた安藤は、ある1人の男に近づきます…漫画化もされている作品。
車視点の世界。車同士のおしゃべりが聞けて楽しい。
読んだ後は車への愛着が深まる…!
『ペッパーズゴースト』まとめ
392ページあり、なかなかの厚みでワクワクしながら1ページ目を開きました。
お得意なパターンながらも斬新な設定、相変わらず魅力的なキャラクター。
序盤から先が気になり、「早く読み進めたい!」と楽しんで読書できました。
ある程度まとまった時間がある時に、読み始めるのが良いかもしれませんね。